争いと利権とプロパガンダ/メディアリテラシー

人はなぜ争うのか?争いをなくすにはどうすればよいのか?
誰もが一度は思うその疑問に答える『争わない学』

今回は争いの中でも国と国・集団と集団による戦争・紛争と利権、プロパガンダ/メディアリテラシーの関係について考えてみたいと思います。

国やテロ組織といった集団が戦争や紛争を行う際、
そこには政治的、経済的に大きな利益を受ける人々の存在があり、
そういった人々が手を組んで戦争を始める癒着の構造が存在しています。

例えば、
●1990年の湾岸戦争のときにアメリカの軍産複合体(軍と軍需産業の癒着構造)が広告代理店を利用し、自分たちが利益を得るために戦争への誘導を行った
●アメリカやロシアの巨大軍需産業や民間軍事会社、あるいは日本の防衛産業による武器輸出計画といった戦争ビジネスの拡大
●国民への不安を煽り、戦争へと煽り立てるメディアの存在
など、
戦争や紛争の背景には権力者と経済・産業界の癒着構造があり、
彼らの政治的・経済的利益のためにメディアを利用して市民を扇動し、
戦争や紛争が引き起こされるという構図が存在しています。

こういった構図の存在を念頭に入れた上で普段メディアや権力者の言動に接することが争いを避ける上でとても重要だと思います。

イギリスを中心に様々な国の権力者が戦争を始めるためにメディアを使って広めていたプロパガンダ(宣伝文句)は、
以下の10の法則としてまとめられています。

①「われわれは戦争をしたくはない」
②「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
③「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
④「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
⑤「われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
⑥「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
⑦「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
⑧「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
⑨「われわれの大義は神聖なものである」
⑩「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

これらは現在の私たちからみると古いと感じる表現も多いですが、
北朝鮮に関する話題など、
普段何気なく観ているニュースをこの戦争プロパガンダの視点からみると、
●「敵側が一方的に戦争を望んでいる」
●「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
●「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
など、法則どおりの言葉が飛び交っていることに気づきます。

争いをなくすためには、
そういった視点をもってメディアに触れるメディアリテラシーがとても重要だと思います。


<参考文献>

なぜ、世界から戦争がなくならないのか?(池上彰)


戦争プロパガンダ10の法則(アンヌ・モレリ/永田千奈[訳])


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